理事長あいさつ

理事長あいさつ(現理事長)

 このたび、一般社団法人日本看護倫理学会の法人第4期理事長を拝命いたしました八尋道子です。2年間の任期のなかで、学会と看護倫理の発展に向け、できるかぎり尽力してまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
 2025年は、本学会の設立から18年目を迎える年になります。いわば成人を迎えるこのタイミングで、大きな役割を担わせていただくことに、重い責任とともに光栄を感じ、身の引き締まる思いでいっぱいです。学会は2027年には設立20周年の節目も迎えます。私個人は経験や能力の面で不足がありますが、学会内外の皆さまのご指導、ご助言、ご支援をいただきながら、職務を遂行したいと考えています。

 現在、750名を超える学会員の皆さまが、臨床・教育・研究などそれぞれの立場から、看護倫理の実践と探究に日々取り組まれています。2008年2月の発起人による設立趣旨をあらためて読み返しながら、当時すでに看護実践の現場で倫理が語られ、教育現場では倫理教育が行われ、研究現場では研究倫理が整備されていたこと、各種学会でも倫理的な現象に着目した発表が数多くみられていたことを再認識しました。それでもなお、日本の文化に合った看護倫理の知を体系的に構築し、深め、言葉を持ち、広げていくことを目指して、多くの方がこの学会に参画されてきたことに、看護倫理への強い関心や、対話やつながりを求める熱い思いを感じました。学会定款第3条には、「看護倫理の知の体系化を図る」「実践者・研究者・教育者等の交流に努める」「看護倫理に関する提言を行う」が本学会の目的として掲げられています。理事長として、設立趣旨に述べられる理念や定款の目的をしっかり胸に抱き、本学会の諸活動を、皆さまの声を聴きながら一緒に進めてまいります。
 具体的な活動については、法人第4期の今期は、前田樹海前理事長のもとで進められた多くの取り組みを継承しつつ、委員会を中心とした交流や人材育成支援、研究活動の推進、国内外との連携などをさらに充実させていきたいと考えています。第3期では、より多くの方が看護倫理の知の生成に関わることができるよう、会費規定の改定、学会誌の論文種として実践報告・事例報告の独立、研究助成制度の創設、研究倫理委員会(学会IRB)の立ち上げ、抄録データベースの整備などが実現しました。また、対面での研修会の再開や、eラーニングによる知識の普及もスタートしました。着手されたさまざまな事業を、引き続き育てていきます。
 さらに今期は、対話の場をもっと豊かにしていくことと、学会の20年の歴史を概観することの2つに注目したいと考えています。倫理は、当事者どうしが語り合うことによってこそ、その力を現場で発揮するといわれます。対話の機会を多くして、次世代に向けた倫理教育や教材のあり方についても、見直しや工夫を重ねて、会員の皆さまのニーズにお応えできるようにしたいです。もうひとつの、学会の歴史を展望する事業については、まだ夢の段階です。できることなら有志の方と力を合わせ、まずは本学会の歩みを学会のホームページにある「歴史(概要)」に加える形で整理し、設立以来本学会が行ってきたことを記録にしたいと考えています。それは同時に、学会が今後進むべき道を皆で考えるときの、大事な資料になると期待しています。
 本学会が、多様な視点を育み、学会の枠を超えて人々が集い、ともに学び、考え、語り合える場所であり続けることを願っています。
 どうぞよろしくお願いいたします。

2025年7月
一般社団法人日本看護倫理学会
法人第4期理事長 八尋道子