理事長あいさつ

理事長あいさつ(現理事長)

新型コロナウィルスの感染拡大が続いており、亡くなられた方々に謹んでお悔やみ申し上げるとともに、療養中の方やご家族の皆さまに心からお見舞いを申し上げます。また、会員の皆様におかれましては、コロナ禍にあって大変なご苦労をされておられることと案じております。
日本看護倫理学会は、6月28日に理事・監事によるWeb上での2020年度総会を開催し、442名の会員の皆様から承認もしくは議長への委任状をいただき、任意団体の解散・法人移行について承認されました。そして、翌日の6月29日に、「一般社団法人 日本看護倫理学会」として新たなスタートをきることになりました。
本学会は、看護倫理の知の体系化をめざし、看護倫理に関わる実践者・研究者・教育者の交流と支援を図り、併せて、看護倫理に関する提言を行うことを目的として2008年6月に任意団体として設立された学会です。本年で13年、会員数は937名となりました。新型コロナウィルス感染症の影響を受けて現地開催を中止し、抄録集での「誌上開催」とした第13回年次大会は、69もの演題が発表されました。
2018年に立ち上げた政策提言委員会は、課題検討委員会と名称を変更し、2020年4月に、「新型コロナウィルスと闘う医療従事者に敬意を」の声明を提示しました。声明を受けて2件のマスコミからの取材に対応した他、報道で紹介されるなど、社会から大きな反響がありました。2020年5月には、会員を対象にメール配信にて緊急調査を行い、その結果を学会HPに掲載いたしました。新型コロナウィルス感染症に立ち向かう看護専門職者としての苦悩や葛藤に心動かされるとともに、多くの課題が示されたことから、今回のような緊急時における看護倫理問題への向き合い方について検討を始めることにいたしました。
13年におよぶ活動を積み重ねてこられましたことは、会員の皆様の真摯な活動とご協力の賜物と、改めて心より深く感謝申し上げます。法人化を機会に、看護倫理のさらなる発展を目指して、組織として社会的な責任を果たせるように、これからも真摯に看護倫理の諸問題に向き合い、会員の皆様と論じ合いながら活動していきたいと思っております。
会員の皆様のより一層のご支援とご協力を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

2020年7月
一般社団法人 日本看護倫理学会理事長:八代利香